初めての上からのサーブ練習方法(基礎)
こちらでは、子供が初めて上からのサーブをする時の練習方法をご紹介していきます。
子供に上からのサーブを教えようと思った時、いきなり大人のようなサーブをさせると、子供にとっては重たいラケットを振りまわすことになるので肩や肘を壊してしまう恐れがあります。
関節の稼働域や、筋力をつけながら、着実にゆっくり1つ1つ覚えて、最終的に上からのサーブが完成するように練習していきましょう。
上からのサーブの覚えさせ方
上からのサーブを覚えさせようと思った時、いきなりフォームから入る指導者がいますが、これでは逆に遠回りになります。
まず最初に必要な練習は「トス練習」です。
簡単なように思えて、とても難しく、そしてサーブのキモになる部分。
このトスをしっかり上げれるようにならないと、後ろに投げてしまったボールを無理やり打とうとして怪我をしたり、周りの子にラケットが当たったりすることがあるので危険です。
トスを上手になるためにまず行いたい練習は下投げのキャッチボールです。
当然ですが、ボールを投げるのは利き手とは反対の手になります。
間違って利き手でボールを投げないように注意しましょう。
(ボールのキャッチは両手でOK)
運動神経の良い子なら2~3回キャッチボールをすればコツを掴み始めると思いますが、ボールが届かなかったり、思った方向に飛ばない子もいると思います。
そういう場合は1メートルほどの近い距離から初めて、徐々に距離を広げていくようにしましょう。
こういった練習は、1日で何回も続けるのではなく、毎日の積み重ねが重要となります。
そしてキャッチボールができるようになってきたら、今度は自分で上に投げてキャッチをしてみましょう。
これでボールを真上にトスする感覚を養うことができます。
この練習は毎日の練習の前や、少しの空き時間でもできる練習なので、毎日毎日繰り返し、本格的なサーブ練習の前に安定したトスができるようになっておきましょう。
サーブに必要な筋力をつける
次はサーブ練習を行うための必要な筋力を養う方法です。
大人にとってテニスラケットというのは「軽いもの」と思っている方も多いと思いますが、子供にとってのラケットは(子供用ラケットでも)それなりに重たく感じているものです。
そのラケットを上に持ちあげて振り下ろすというのは、子供にとっては結構な負荷が加わります。
特に初めて上からのサーブを練習する場合は、ある程度の筋力が備わっていないと、ラケットの遠心力に負けてしまって怪我をしてしまう恐れがあります。
こういった怪我のリスクを減らすためにも、本格的なサーブの前に必要な筋力を養うトレーニングから行っていきましょう。
必要なものは、空のペットボトル1本だけ。
始めはペットボトルに少しだけ水を入れて、ラケットより軽いウェイトを作りだします。
そしてこのペットボトルをしっかりと持ち、肩に乗せます。
この状態から上から下に振り下ろしましょう。
ペットボトルを垂直に持ち上げる際に、サーブに必要な筋力を鍛えることができます。
最後はペットボトルを止めるのではなく、振り下ろした手が体に巻きつくように、反対の足の方にペットボトルをフォロースルーして終わるようにしてください。
そうすると肩や肘への負担が減ります。
この練習のポイントは、ペットボトルを振り下ろした際に中の水が落ちてこないように振り下ろすこと。
そうすることで、水の重み(本来はラケットの重み)による遠心力の使い方を身に付けることができます。
少しずつ動きがスムーズになってきたら、徐々に水の量を増やして負荷をあげてきましょう。
これで肩や腕の筋肉を鍛えることができます。
またこのトレーニングでは、持ちにくいペットボトルを持つことによって握力の強化にもつながります。
もちろん腕立て伏せや腹筋、背筋といった基本的な筋力トレーニングも織り交ぜながら、バランス良い筋力を付けていくと良いでしょう。
次回はいよいよ実際に上からサーブをする、上からのサーブの打ち方と練習方法をご紹介したいと思います。