4歳から始めるキッズテニス
これから子供にテニスを教えたい、テニスを習わせたいと考えている親御さんは沢山いらっしゃると思います。
では何歳からテニスを始めるのが良いのでしょうか?
とにかく早く1歳から?小学校に上がった6歳から?
今回はテニスを始める年齢について考えてみたいと思います。
子供の成長に合わせて運動を始める
まずは子供の体の成長がどれくらいのスピードで行われているかについて触れていきましょう。
人間の運動神経というのは生まれたばかりの0歳から12歳まで、柔軟性は7歳までが急激に成長できる時期と言われています。
こちらは子供の発育などでよく使われている、神経系の成長曲線です。
このグラフを見ると0歳~2歳までに急激な成長しているのがわかると思います。
子供を育てたことがある方は分かるかと思うのですが、0歳~1歳と言うのは何もできなかった新生児が半年で寝返りをして、その後ずりばい、1歳ごろにはハイハイから立ち上がることができるようになる0から1の変化が起きている時期です。
これは運動神経というよりも人間が行う動作を覚えて、必要な筋肉を発達させている段階となりますから、急激な成長が起きて当然の時期と言えます。
そして2歳までに二足歩行や走るという動作、ジャンプすることなどを覚えて、基本的な運動ができるようになっていくわけです。
つまり上のグラフで言う3歳までの急激な神経系の発達時期は、全ての人間が経験する過程となりますので、この時期に「何かスポーツをやらせなくちゃ」と焦るのではなく『沢山遊ばせて体を成長させる』という捉え方をした方が良いしょう。
例えば公園にあるすべり台を登るという動作ひとつとってみても、はしごは手と足を左右交互に動かさなくてはいけないので、全身運動でありリズム感を養う運動になります。
また外で思いっきり走らせることで、どうすれば転ばないのか、どうすれば早く走れるのか、遊ばせておくだけで自然と体の動きを身につけていきます。
体力という意味でも、沢山遊ばせる、沢山走らせるということはとても重要です。
このように基礎的な運動神経は、身近な外遊びで身につけることができます。
まずは「何かスポーツを」と考えるのではなく、いっぱい遊ばせることが大切です。
またテニススクールに通わなくてもできる3歳~4歳のテニストレーニング方法はこのブログでご紹介していますので、読み進めていただければと思います。
テニスは何歳から始めるのが良いか
そして冒頭で述べたテニスはいつから始めれば良いのかという疑問。
ここからはテニスを始める年齢について考えてみましょう。
先ほど紹介した神経系の発達グラフの中で0歳~3歳までの基礎発達部分を除いて考えると、3歳~6歳がもっとも急激な成長をします。
よってテニスを始めるのであれば3歳から始めれば良いことになりますが、子供のライフイベントなどを考慮すると一概にそうとも言い切れません。
子供にとって3歳と言うのは幼稚園入園の年にあたります。
子供本人にとっては初めて自宅以外での生活を始める年と言っても過言ではなく、幼稚園や知らない大人(先生)が沢山いる場所で過ごすことになりますから、生活に急激な変化が起きる時期です。
これと同じタイミングでテニススクールに入れたり様々な習い事を初めてしまうと、「慣らし期間」がないために順応することが上手くいかない可能性が高いです。
また子供は急激な生活の変化などでストレスを浴びると体が敏感に反応することがあります。
体調の変化が起きたり、チックが出始めてしまう子供もいます。
ですから、3歳は生活の基盤である幼稚園や保育園に慣れさせることを第一に考えます。
当然幼稚園でも沢山体を動かしてきますから、心配しなくても神経系は十分に発達します。
幼稚園に慣れる、お友達を作る、先生の話を聞くなど1つずつステップをクリアしながら、子供の成長に合わせた環境作りを心掛けましょう。
では何歳からテニスを始めれば良いのかとなりますが、4月~9月生まれの子がテニスや習い事を始めるなら、幼稚園に順応した夏休み明けの9月ごろ。
10月~3月生まれの子は翌年の4月からテニスを始めると、あいさつや礼儀、体操からボール慣れなど、順を追った指導をしてくれるので良いと思います。
なぜ月齢で分けたのかと言いますと、幼稚園などで他の子供を見る機会が増えると感じると思うのですが、3歳~4歳の間というのは特に月齢による発育の差が大きく表れます。
体の大きさはもちろんですが、言葉の発達などにも違いがでます。
また3歳から4歳になると人(大人)の話しを聞くということができるようになってきます。
これくらい肉体的にも精神的にも成長してからスポーツを始めた方が、怪我や事故のリスクを減らすことができます。
特にテニススクールの受け入れも、ほとんどのスクールで4歳~となっていることが多いようです。
ですから、テニスの指導を受けたり特定の種目を子供にやらせるのは、心と体の基礎が確立された4歳以降が適切と考えます。
親御さんの中には「少しでも早くテニスを」と焦ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、年齢や生活に合った環境を用意してあげることこそが子供の成長を促すのではないかと私は思っています。
スポーツとしてのテニスは早くても、小さいころからおもちゃのテニスに触れておくのはとても良いことだと思います。
こんな室内用のラケットもありますので、3歳以下のお子さんであれば、こういったものを利用してみても良いと思います。
次回は、テニスを始めたばかりの子供用初期トレーニングをご紹介しますので、まずはご自宅でこの練習にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?