テニスのボール拾いにも意味がある?練習時のボール拾いについて

テニススクールや普段のテニス練習の時、子供達はどのようにボールを拾っていますか?
走ってボールを集める子供もいれば、ラケットにボールを乗せて効率よくボールを拾う子もいるかもしれません。
この単なるボール拾いが、運動神経やテニスの練習効率に繋がっているとしたら…
もう単なるボール拾いとは言えないかもしれません。
ボール拾いと練習効率について
テニスのボール拾いは、テニスコートでも公園でも、手持ちのボールが無くなったら必ず行う作業ですよね。
もちろん子供だけでなく、大人の練習でも同じです。
大人の方は、あまり動き回らずに近くのボールをラケットに乗せて、一度に多くのボールを運ぶことが多いと思いますし、それが一般的かと思います。
一方子供はというと、コーチや指導者にせかされながら、カゴやケースを片手に走りまわっている姿を良く見かけると思います。
多くの場合「ボールを急いで拾わせる」という行為には「時間短縮」という目的があり、限られた練習時間を無駄にしないようにと考えられています。
または規律や瞬発力強化という側面もあるでしょう。
しかし、この子供を走りまわすボール拾い、実は練習効率を下げている可能性があります。
基本的にボールを拾うという作業は、一通りの練習を終えてボールが無くなったタイミングで行われるもの。
つまり、肉体的にも精神的(集中力)にも、パワーを使った状態にある訳です。
その状態から「ボールを急いで拾え!」とコーチに言われてしまうと、呼吸を整えたり体を休める時間がないまま次のトレーニングに向かう事になってしまいます。
子供というのは大人と違って集中できる時間が短く、疲労すればするほど練習効率は落ちていき、さらにはパフォーマンスも悪くなっていきます。
またテニスはワンプレーごとにプレーが止まるスポーツであるため、普段から練習の中で呼吸を整えたりプレーについて考えたりする習慣(セルフコントロール)を、小さいころから身につけておくと試合を経験するような年になった時に大いに役立つことになります。
ですから、ボール拾いはなるべく歩いて行い、むしろ練習の良かった点や悪かった点について考える余裕すらあったほうが望ましいと思います。
ただし、遊びながらボール拾いをしたり、ふざけながらボールで遊んでいるようであれば、規律の欠け過ぎですので、練習時間が無くなることや協調性について教育する必要があるでしょう。
ボール拾いと運動神経について
では次に子供のボール拾いは、冒頭に書いたようにラケットに乗せて効率よく行うのがベストなのか、手で拾わせることが良いのか、どちらでしょうか?
実はここにも運動神経との繋がりがあります。
人間の手のひらや足の裏には沢山の神経が集まっていて、この神経を刺激することにより、運動神経の発達に役立つ事は広く知られています。
特に子供の発達速度は早いので、幼児教室などで小さいころからボールを使った遊びを多く取り入れているのは、手や足に刺激を与える為に考えられてやっていることです。
特にスポーツの世界でアジリティと言われる敏捷性や器用さ、また視野の発達にも役立つため、テニスだけでなく野球やサッカーにも必要な能力の基礎を形成することができます。
ですから、サッカーでは小さいころからボールを蹴るだけではなく、より神経を刺激するために裸足で足の裏でボールを転がしたりすることが有効で、テニスや野球などでは手を刺激するイボイボのついたマッサージボール(ストレッチボール・触角ボール)というボールで遊ばせたり、キャッチボールをするのが効果的と言われています。
(アフリカ系の選手が身体能力に優れているのも、裸足で生活し、神経が刺激されていることが関係しているのかもしれません)
一方テニスの練習においては、ラケットを持つ手には常に刺激が加わっていて、特にボールのインパクト時には常に強い刺激を受けています。
一方反対の手はバックハンドで打つ時だけにしか刺激が加わらないので、神経への刺激という意味では、テニスの練習だけでは十分とは言えません。
では、この手足の神経を刺激することと、テニスのボール拾いに何の意味があるのかというと…皆さんはもうお分かりですよね。
そう。ボール拾いは、その行為と同時に、手に刺激を与えることができるタイミングなのです。
このことから、ラケットを使ってボール拾いをさせるのは、刺激が減ってしまうのでNG。
手で1つ1つボールを手で拾わせるのが効果的です。
さらにボール拾いの際は「左手(逆手)だけ」というルールにしてみても、逆手への刺激となりますし遊びながらできるので効果的です。
ボール拾いのまとめ
今回は、たかがボール拾いのことを取り上げたわけですが、ここまで読んでいただいた方々は、ボール拾いへの考え方が少し変わったのではないでしょうか?
ボール拾いは、頭も体も休めるリラックス時間。
そして1つ1つボールを拾う事で、神経が刺激されているということ。
この認識を持っていただければ、テニスの練習効率も、テニスへの取り組み方もさらに良くなっていくものと考えています。