はじめてのバックハンドの練習方法と教え方
テニスを始めて間もない3歳児や4歳児のキッズ世代は、利き手側であるフォアハンドはすぐに覚えることができても、バックハンドがぎこちなかったり、上手に振れない子が多くいます。
それもそのはず、日常や遊びの中ではバックハンドと似た動きをすることがほとんどないと言えるためです。
テニスを始めなければ、やらない動きと言っても過言ではないかもしれません。
ただ、小さいうちから正しいバックハンドストロークを覚えておくと、ラリー練習を覚える歳になったとき、変な癖がつかずに綺麗なフォームでラリーをはじめるができます。
5歳~7歳くらいでフォームが固まっていると、その後のテニスの成長も早くなり周りとの習得レベルに差が生まれていきますので、小さいころから正しいフォームでバックハンドストロークができるように心掛けておきましょう。
初めてバックハンドストロークを覚えるときのポイント
まず初めは、バックハンドストロークを覚えさせるときのポイントを押さえておきましょう。
バックハンドストロークは、テイクバックや、打つときの体の向きが非常に大切になるのですが、それよりも、最初は『フォロースルーを身につけさせること』が一番大切です。
をというもの、小学生ぐらいからテニスを始めた子供は、周りの子供たちや大人の動作を見て、見よう見まねのバックハンドをするわけですが、打ち終わりでラケットを止めてしまう子供が多くなります。
これは、ボールを前に飛ばそうという意識が強すぎてラケット面を前に向けてしまう気持ちと、体幹ができていないため、ラケットの遠心力で体が振り回されないように、腕でブレーキをかけてしまうことの2つが要因となります。
(逆に、バレリーナのように回転してしまう子も、体幹ができていない証拠です)
こういった精神的なブレーキを植え付けさせないためにも、最初のバックハンドの振り方を覚える段階からフォロースルーを徹底して覚えさせることから始めましょう。
そしてボールを使って練習するときには「振りぬいてもボールはまっすぐ飛ぶ」ということを体験させることが大切です。
これらが初めてバックハンドストロークを覚える時のポイントとなります。
初めてバックハンドストロークの練習方法
それでは初めてのバックハンドストロークの練習を始めていきましょう。
まず一番最初の練習方法は、ボールを地面に5つくらい並べた状態からスタート。
このように止まったボールを、ゴルフのパターの要領でボールを前に打っていきます。
このときにラケットの握り方や振りかたを教えておきましょう。
そして、この時のポイントはバックハンドは必ずラケットを両手で持つこと。
子供の場合は無意識で左手(逆手)1本で打とうとしたりするので、必ず2つの手でラケットを持つことを教えてからボールを打っていきましょう。
最初のうちは、指導者が後ろから手を持って打ってみても良いと思います。
そして一番大切なのが冒頭でも述べたようにフォロースルーをすることです。
「ラケットを振ったら、最後は肘を曲げて肩に手を乗せて終わる」という事を、ボールを1回打つごとに説明していきます。
ボールをうまく打てるか、まっすぐ飛んだかどうかは、今の段階で気にする必要はありません。
どうしても親や指導者は、ボールが上手く打てたかどうかに注目してしまいがちですが、3歳や4歳の子供に教えている場合は、フォロースルーがしっかりできた時に褒めるようにしてください。
(まっすぐ転がったから「すごーい!」と褒めるのは我慢してください)
何度か一緒にボールを打ったら、次は1人で打たせてみます。
ボールを打てなくて空振りしてしまっても構わないので、打てるまで何度も何度もラケットを振らせましょう。
繰り返しになりますが、この練習はボールを打つことが目的の練習ではなく、ラケットを下から降って肩で終わるというストロークの練習をしていますので、ボールは目安程度にあるという事を忘れないようにしましょう。
しっかりとバックハンドストロークの形ができて、ボールも打てるようになったら、次は動くボールを打ちます。
親や指導者が子供の目の前に立ち、ボールを転がします。
子供はボールまで動いてバックハンドストロークでボールを打ち返します。
この練習では、ボールをしっかりと打つことも大切になりますが、やはり一番はバックハンドストロークのフォロースルーができているかどうかです。
子供が忘れているようであれば、「最後は肩で終わろう!」と何ども声かけをすると良いでしょう。
そして上手く出来た時には、しっかり褒めてあげることも忘れないでください。
バックハンドの体の使い方を覚える方法
ラケットを使ったバックハンドストロークの動きが定着しない場合は、大きいボール(バランスボールなど)を使って、両手で投げるという動作をしてみるのも良い方法です。
バランスボールのような片手で持てない大きなボールは手投げができないため、横向きになって体を回しながら(遠心力を使う)でないと投げることができません。
この形がバックハンドストロークのスイングと似ているため、バランスボール投げで体の使い方を覚えるのも良い方法です。
(バランスボールの空気を少し抜いておくと安全にトレーニングできます)
体の小さい子供や4歳くらいの子供の場合は、少し大きめのビニールボールを使っても良いでしょう。
フォアハンドとバックハンドの使い分けを覚える
そして最後は、フォアハンドとバックハンドの使い分けについて練習していきましょう。
子供はバックハンドの練習をしていると、フォアハンドの打ち方を忘れてしまうこともしばしば。
しっかりと右と左で違う振り方をしないといけないことを覚えさせましょう。
まず、最初に行った練習のようにボールを地面に並べていきますが、今回はフォアとバックの左右にボールを並べていきます。
並べたボールの真ん中に立って、左右にボールが置いてある状態です。
そして子供は、フォア・バック・フォア・バックの順でボールを打っていきます。
3歳児や4歳児だと、途中で「どっちだっけ?」と、こんがらがってしまうことも多いので、親や指導者が声をかけて練習を助けてあげます。
この練習を何度か繰り返し、フォアハンドとバックハンドが安定してきたら、バックの練習をした時と同様に転がったボールを打つ練習をします。
最初はリズムよく右・左・右・左とボールをだしていき、慣れてきたらランダムにボールを転がしていきます。
この練習が上手くできるようになったら、バックハンドの形は習得といっても過言ではありません。
次は手出しボールを打つ練習へとステップアップしていきましょう。
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