ミートポイントと距離感を覚える練習方法
ラリー練習などを始めてボールを打つことに慣れてきたら、ミートポイントを正確に捕らえる練習も始めていきましょう。
今回ご紹介する練習方法は、10回に1回はボールをフレームに当ててしまうような子にオススメの練習方法となります。
それではミートポイントとボールとの距離感を覚える方法をご紹介していきます。
正しいミートポイントを覚える練習
キッズ~小学校低学年くらいまでの子供は、ボールを感覚で打っていることが多く「どこに当たるとボールがよく飛ぶのか」を理解できていない子がほとんどです。
ラケット面が上を向いていたら上に、下を向いていたら下に、というくらいはわかっていても、ラケットの芯を理解するのは年齢的には難しいと思います。
でも「ラケットの真ん中に当ててみよう!」という言い方に変えれば、子供の意識は変わるかもしれません。
まずはこのラケットの真ん中で打つという意味を理解させる練習方法です。
最初に、ボールに効率よく力が加わるインパクトの位置でラケットを固定させます。
そこに指導者の持つラケットのグリップ部分を押し当てます。
このような感じです。
このまま、子供にラケットを押し込ませてください。
グリップが強く押され、子供自身も力が入っている感覚が理解できればOKです。
次に指導者の持つラケットのグリップ位置をずらして、フレームギリギリのところに当ててみます。
そして同様にラケットを押し込ませてください。
力を入れた瞬間にラケットがずれてしまったり、「力が入りにくい」という感覚が分かればOKです。
この練習は、ラケットのどこに当たるとボールが良く飛ぶのか?
これを理解させるための練習方法となります。
応用として、ラケットの位置を後ろや前にずらし、力の入り方の違いも理解させるのも良いでしょう。
ミートする位置によって、ボールへの力の伝わり方が変わるということを教えておくことが大切です。
動きながらミートポイントを覚える練習
次は、上記の練習方法に動きをつけてみましょう。
ラケットとグリップをくっつけたまま、指導者やコーチは前後左右にランダムに動いてみましょう。
子供は指導者を追いかけ、ラケットとグリップが離れないように動いていきます。
これはボールとラケット(ミートポイント)の距離感を覚える練習です。
近づきすぎてもグリップが離れてしまいますし、離れすぎてしまうとグリップに届きません。
常に一定の距離感を保ちながら動き続ける必要があります。
ここで教えたいのは、「グリップ=ボール」の位置が変わると自分も動いてミートポイントを合わせなければいけないということです。
ただ動いているだけでは追いかけっこをして楽しんでるだけになってしまいますので、自分が動かなければいけないということを、子供が理解できるように言葉を交わしながら練習すると良いでしょう。
この練習は何度も何度も繰り返し行う必要はありませんが、ミートポイントがズレているときなど、感覚を調整するために行ってみると良いと思います。
ラケットを下から降る練習方法
次はスイングの軌道についてです。
キッズやジュニア世代は、飛んできたボールに対して無理な体制でスイングをしてしまいがちです。
無理な姿勢でラケットを振れば、当然ながらミートポイントもずれてしまいます。
特に胸より上に飛んでくるボールを無理な姿勢でスイングすると肘や肩の怪我に繋がりかねません。
ですから、5歳前後の子供や体の小さい子供には「ラケットを下から降る」という意識付けが大切です。
ラケットの降り方については、素振りなどをしながら正しいスイングを教えるのも良いですが、コート上にあるネットを使った練習方法もあります。
写真のようにネットの上から腕を出し、ラケットを垂れ下げます。
こうすると、強制的にラケットを下から上に振ることしかできなくなります。
この状態のまま、指導者が出す手出しボールを打ってみましょう。
自然と下から上へのスイングになり、フォロースルーがしっかりでき肩の位置にラケットが収まります。
(実際にはこのように腕を垂れ下げてスイングすることはないので、通常のスイングができなくなるということにはなりません。)
ボールが上手く打てるかどうかはあまり関係は無く、下から上にスイングするという意識付けができればOKです。
この練習を何度か行った後、普段の練習をしてみましょう。
スムーズに下から上へラケットが出て、最後に肩に収まるようになるはずです。
こうなれば練習の効果があったということになります。
このように年齢に合った正しいラケットのスイング、そして正しいミートポイントを意識できれば、どんな練習も効率的に取り組むことができますし、テニス自体の上達も早くなると思います。
ボールを使った練習だけではなく、このようなスイングの調整とも言える練習も定期的に行っておくと、良い結果を導けるでしょう。
次回はラリー中に後ろへ下がる動き方を覚える練習をご紹介します。